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効果と用法

ソラナックス錠はベンゾジアゼピン系の緩和精神安定剤・抗不安薬の一種であるアルプラゾラムの商品名で、マイナートランキライザーと呼ばれる薬の一種です。アメリカではザナックスという商品名で発売されており、国内の対不安薬処方の第1位となっています。

日本では1984年に認可を受け、ファイザーの商品名となっています。

 半減期は約14時間で、効果の時間が長く、服用してから15-30分程度で最大の効果が得られるため、不安障害などの患者は日常的に持ち歩いて症状が現れたらすぐに服用することで症状が大きく改善されます。

しかし、2ヶ月程度服用を続けると効果が疑わしくなる傾向があるため、長期間の服用には向いていません。
 
 ソラナックス錠は脳にあるGABA受容体と結びつくことで神経細胞の活動を抑え、筋肉の凝りをほぐす効果があり、心身症に伴う胃潰瘍・十二指腸潰瘍・過敏性腸症候群や自律神経失調症、神経症、不安、緊張、パニック障害、うつ病、睡眠障害などの症状に適用されます。時にはひどい肩こりや腰痛の薬としても処方されます。

 ソラナックス錠は0.4mg錠と0.8mg錠の2種類の規格があり、0.4mg錠の薬価は約11円と安価です。

<用法>

 成人1日1.2mgを3回に分けて水などと一緒に服用します。量は年齢や症状により調節されますが、最高で1日2.4mgまでとします。高齢者の場合は1回0.4mgを1日1-2回服用し、最大1日1.2mgを超えないようにします。

ソラナックスの注意点は眠気や飲酒

ソラナックスには催眠作用や筋肉のこりをほぐす作用があるため、眠気を誘い、運動反射能力を低下させ注意力や集中力を奪うのでので服用後は車の運転や危険な作業を控えるようにしましょう。

アルコールと一緒に服用すると作用が強く出すぎ、副作用がおこりやすくなるため、飲酒も避けるようにしましょう。

 高齢者の場合も薬の作用が強く出るため、失禁・歩行障害・よろめき・ふらつきなどが起こりやすくなります。

 ソラナックスには情動活動や覚醒を維持するのに関わっている視床下部や大脳辺縁系の神経回路の活動を抑える働きがあるため、他のベンゾジアゼピン系の抗不安薬に比べて眠気・めまい・ふらつき・脱力・倦怠感の副作用が出る頻度が高く、薬を服用したあとに眠気を感じる割合は10%にのぼります。

 ソラナックスを服用してから効果が現れるまでには0.5時間から1時間ほどかかり、効果が現れてからは24時間くらい継続するので、車の運転やアルコール摂取の予定がある場合は服用しないようにし、万が一服用してしまったらその後24時間は運転・飲酒を控えるようにしましょう。

処方した医師の判断により、どうしても必要な飲み会がある場合は「サワー3杯まで」「ビールグラス2杯まで」など制限付きで飲酒の許可がおりることもありますが、普段お酒に強い人でも1杯飲んだだけでフラフラになってしまう例もあるので油断しないように気をつけましょう。

ソラナックス錠の副作用

ソラナックス錠には以下のような副作用があります。特に、シメチジン(H2ブロッカー)やイトラコナゾール(真菌症の治療薬)などと併用すると副作用が強く現れることがあります。また、妊娠中の女性が服用すると、生まれてくる赤ちゃんに兎唇や口蓋破裂などの症状が現れる確率が通常の約11倍になることが報告されています。

・悪夢

 ソラナックス錠を服用して眠りに入っても、効き目が切れたときに悪夢で目が覚める場合があります。

・動悸

 眠っている途中に効果が切れると、動悸がして目が覚めることがあります。

・倦怠感・脱力感・集中力低下・眠気

 神経細胞の活動が抑えられることで気だるさを感じたり、集中力が低下して眠くなったりすることがあります。運動反射能力も低下します。

・頭痛

 もともと呼吸器系が弱い人が服用すると、起床時に重い頭痛や息苦しさを感じることがあります。

・瞳孔拡大

・性欲減衰

・口やのどの渇き・吐き気



 また、急に服用をやめたり量を減らしたりすると以下のような禁断症状・離脱症状が現れることがあります。服用を中止したり量を減らしたりする場合は万が一症状が現れたときのために頓服として予備を処方してもらうことをおすすめします。

・悪夢

 暗くて苦しい悪夢を毎晩のように見るようになった、という報告もあります。

・動悸

・恐怖

 日常生活の何気ないものに突然恐怖を感じたり、他人や水などが怖くなったり、夜中に突然恐怖に襲われることがあります。

・味覚

 食べ物の味が全部同じに感じたり、味覚が変わったりすることがあります。